就活や転職活動をする際は、「自己分析をしたほうがいい」と言われます。
就活・転職活動をしたことがある社会人500人に「就活・転職活動の際に自己分析をしたか」と聞いたところ、回答は以下のようになりました。
「充分にした(19.0%)」「まあした(52.4%)」が合わせて7割以上という結果に。
就活・転職活動時に自己分析をすることは、一般的であることがわかります。
上記以外にも「実際に行った自己分析のやり方」や「自己分析した理由・しなかった理由」についても質問し、回答数の多かった順にランキング形式で紹介。
- 調査対象:就職・転職活動をしたことがある方
- 調査期間:2022年12月18日~2023年1月1日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 有効回答数:500人(男性220人/女性280人)
- 回答者の年齢(就職活動時):10代 1.0%/20代 56.8%/30代 28.8%/40代 9.0%/50代~ 4.4%
就活・転職活動時の自己分析のやり方おすすめランキング
今回のアンケート調査において、「就活・転職活動時に何らかの方法で自己分析をした」と回答した420人に、実際に行ったやり方を聞きました。
以下、回答数の多かった順にランキング形式で紹介します。
結果的にもっとも多かったのは「WEB診断テスト(86人)」、2位は「他者からの評価(78人)」でした。
自分で自分を分析する人よりも、客観的に見た自分、他者から見える自分を知ろうとする人が多いようです。
「WEB診断テスト」に関しては、質問にクリックして答えるだけと手軽なので、自己分析のとっかかりとして行う人も多いのかもしれません。
一方、3位「キャリア・スキルの棚卸し(53人)」、4位「過去の振り返り(43人)」、5位「得意・不得意の把握(40人)」など、自分の過去や内面を掘り下げる方法で深く分析している人も目立ちました。
詳しい理由について順番に解説していくので参考にしてみてください。
就活・転職活動時の自己分析のやり方1位 WEB診断テスト
- 就職活動サイトで実施されている自己分析診断を利用した(22歳 女性)
- 転職サイトによる自己分析診断を3つ程受けた(23歳 女性)
- ハローワークのパソコンで自己分析ができるサイトを使いました(24歳 女性)
自己分析の方法でもっとも多かったのは「WEB診断テスト」でした。
大手転職サイトなどでは、WEB上でできる自己分析の診断テストを提供しています。
質問に答えていくだけで「適職」や「特徴」「強み」などがわかるため、「自己分析はめんどくさい」という人でも気軽にできるのがメリットです。
就活・転職活動時の自己分析のやり方2位 他者からの評価
- 知人、家族、目上の方など色んな人に自分の長所短所を聞き、他人の意見も取り入れて自己分析した(30歳 女性)
- 他人から見た自分も知りたかったので、友人とたくさん話して相互に特徴の分析を行いました(21歳 女性)
- 友人・知人に頼んで自分の特性を客観的に言ってもらった(26歳 男性)
「他者からの評価」が2位。
自分が思っている自分と、第三者から見た自分が乖離しているケースは少なくありません。
他者からどんな風に見えているかを評価してもらうことで、自分では気づかなかった強みを発見できます。
短所を知ることができれば、弱点の改善にもつなげられますね。
さらに、客観的な視点を取り入れた説得力のある自己PRを作成することも可能です。
評価してもらった相手として多かったのは、家族・友人・大学の先輩・教授などでした。
就活・転職活動時の自己分析のやり方3位 キャリア・スキルの棚卸し
- 今まで行った仕事を箇条書きし、どのような結果を生み出したかをまとめました(31歳 男性)
- 自分の実績をノートに書いて棚卸しをした。その実績が応募した企業でどのように役立つかまでストーリーを考えた(31歳 男性)
- 学歴、取得資格、職歴を書き出し、興味関心の共通点を確認しました(33歳 女性)
3位は「キャリア・スキルの棚卸し」。
これまでの実績やスキルを洗い出すことで、自分の能力を発揮できる仕事や職場を見つけやすくなります。
就活・転職活動時の自己分析のやり方4位 過去の振り返り
- 幼少期からの体験を振り返り、成功体験と失敗体験、そのときにどのように動いたかを書き出して一貫する部分をピックアップした(22歳 女性)
- 自分史を書きながら今までの人生を振り返り、自己分析をしました(25歳 女性)
- 過去の出来事と、そこで自分の感情や行動がどのようなものだったかを書き出していきました(21歳 女性)
4位は「過去の振り返り」でした。
「過去の振り返り」は、幼少期からの出来事に対し、楽しかったこと、嫌だったこと、好きだったことなどを挙げ、その一つひとつに「なぜ」と問いかけて思考を深掘りしていく方法。
自分の価値観や大切にしていることに気づけるため、仕事や職場との相性を考えるうえで非常に役立つでしょう。
就活・転職活動時の自己分析のやり方5位 得意・不得意の把握
- 過去の業務で得意だったこと、苦ではないことを箇条書きし、それぞれ深掘りした(29歳 女性)
- ノートに得意なこと、不得意なこと、私を雇うことで会社側が得られるメリットデメリットなどを書き出しました(27歳 女性)
- 自分はあまり役に立つ資格やスキルを持っていないので、今の自分で出来る仕事や得意な事を見つめ直してみました(32歳 男性)
5位は「得意・不得意の把握」でした。
自分の得意なこと・苦手なことが分かると、向いている仕事が見えてきます。
また中途採用の場合、企業は「求める能力」を明確にして求人募集をするので、自分の「得意なこと」や「発揮できる能力」を自覚しておくことはとても重要です。
就活・転職活動時の自己分析のやり方6位 自己分析シートの作成
- ワークシートに自分の生い立ちや人生の転機となった事項、及び当時の心情を記載して自己分析を行った(24歳 男性)
- 就活生を応援する会社から自己分析のためのテキストをいただいて自己分析をした(22歳 女性)
- 専用のテキストを1冊買って、自己について書き出す作業をしていました(26歳 男性)
転職サイトや就活本に掲載されているやり方を参考に、自己分析シートを作成した人も多くいました。
自己分析シートは「自分史」「SWOT分析」「モチベーショングラフ」などさまざまな種類があります。
就活・転職活動時の自己分析のやり方7位 転職エージェント・ハローワークでの面談
- 転職エージェントに話を聞いてもらい、自分がどのような価値観かを人と話すことで整理していった(33歳 男性)
- 転職エージェントとの対話形式で、小学生から今回の転職まで、さらにその先のなりたい姿像について言語化していった(26歳 女性)
- ハローワークの方に相談にのってもらい、客観的に感じた自分のいいところを教えてもらった(30歳 女性)
7位は「転職エージェント・ハローワークでの面談」でした。
一人で考えてもうまく分析できない場合、アドバイザーと対話することで頭のなかが整理されることもあります。
また、転職エージェントやハローワークでは、豊富な知見をもつプロならではのアドバイスがもらえるのも大きなメリットです。
「自分のことがよくわからない」「客観的な視点がほしい」という方は、プロのサポートを受けてみると良いでしょう。
自己分析するなら、まずは「WEB診断テスト」から始めてみてはいかがでしょうか。
診断内容も充実しており、いつでもどこでも自分の好きなタイミングで利用できる手軽さと、無料で利用できるメリットがあるからですね。
最近はWEBだけでなく、アプリに対応しているサービスもあるので、スマホを使って移動時間やスキマ時間を有効活用するのもいいでしょう。
転職活動を行う人は、少し手間はかかりますが、自分でキャリアやスキルの棚卸しを行ったり、過去を振り返ってみるのも忘れないでくださいね。
無料なのはもちろん、手間をかけたくないという人は、友人や家族から、あなた自身の評価を教えてもらう方法がおすすめです。
じっくり時間をかけて自己分析したいなら、今回ランクインした方法すべてを取り入れてみるのもいいでしょう。
自己分析の具体的な方法と手順を解説
自己分析の方法はいくつかあります。
この章では以下2つの自己分析について、具体的な手順を紹介します。
- 過去の体験を深掘りしていく自己分析
- 自分史とモチベーショングラフを使う自己分析
いずれも紙とペンがあればでき、面接で語る内容にも結びつけやすい方法だからです。
過去の体験を深掘りしていく自己分析の手順
過去の体験を深掘りしていく自己分析の手順は以下の通りです。
- 掘り下げるテーマを決める
- テーマに合う過去の体験を集める
- 体験を「なぜ?」で深掘りしていく
- 分析結果から「共通点」と「変化した点」を探る
順番に解説していくので参考にしてみてください。
まずは掘り下げるテーマを決めます。
掘り下げるテーマを決めておかないと、自己分析の方向性が定まらず、自分の価値観が見えにくくなりかねません。
例えば以下のようなテーマの中から選びましょう。
- 学生時代に頑張ったこと(ガクチカ)
- 楽しかったことや熱中したこと
- 嬉しかったこと
- ツラかったこと
- 挫折したこと
- 困難を乗り越えてやり遂げた経験
- 反省したこと
- 人間関係のこと
多面的に自分のことを知るためには、複数のテーマを選んで分析するのがおすすめです。
またテーマを選ぶときには、「嬉しかったこと」と「ツラかったこと」など、プラスの感情とマイナスの感情の両方を選ぶようにしましょう。
マイナスの感情を分析していくと、「自分の苦手なことや、自分の価値観から外れること」や「マイナスの感情をバネにした経験」が見えてきます。
自分の中のマイナス感情と向き合うのに抵抗感ある人もいるかもしれませんが、より深く自分のことを知るためにもやっておくことをおすすめします。
掘り下げるテーマを決めたら、テーマに合う過去の体験を集めます。
具体的な場面を通して、客観的に自身の内面を深掘りしていくためです。
具体的なエピソードがあると、エントリーシートや面接で自分の長所や短所を語るときに説得力が増すメリットもあります。
以下に集められる体験の一例を紹介します。
- 部活・サークル活動
- アルバイト
- 勉強・ゼミ
- 留学
- 趣味
- ボランティア・知育活動
例えば「頑張ったこと」をテーマにした場合、以下のような体験が思い浮かぶのではないでしょうか。
- 中学時代に部活を頑張った
- 高校時代にボランティア活動を頑張った
- 大学時代はアルバイトを頑張った
ひとつのテーマに対し、複数の体験を集めることで大切なポイントが浮き彫りになります。
テーマに沿う体験が集まったら、「なぜ?」で深掘りしていきます。
体験を掘り下げると、「当時の自分がとった行動や、感じた気持ちの理由」が把握できるようになり、自分らしさを発見できます。
「なぜ」を考えることで自己分析に厚みが増し、面接の質問にも答えやすくなることでしょう。
例えば以下のように進めていきます。
Q1.大学時代は塾講師のアルバイトを頑張った。なぜ? | A.アルバイトが楽しかったから。 |
Q2.なぜアルバイトが楽しかった? | A.生徒に「授業がわかりやすい」と言ってもらえて嬉しかったから。 |
Q3.なぜ「わかりやすい」と言ってもらえると嬉しい? | A.自分の授業が生徒のためになっていると実感できるから。 |
Q4.なぜ生徒のためになれると嬉しい? | A.生徒の目標達成をサポートできるから。 |
上記の例ですと、あなたは「人をサポートすることや人に影響を与えることにやりがいを見出す」特徴を備えていると考えられます。
続けて別の角度からの「なぜ」も投げかけてみてください。
例えば同じ塾講師のアルバイトでも、「授業についていけない生徒がいたときに、どう対応したか(困難を乗り越えた方法)」といった切り口での分析もできます。
掘り下げたすべてのエピソードがエントリーシートや面接で使えるとは限りませんが、どの分析もあなた自身を理解することに役立つはずです。
エピソードの深掘りができたら、行動や感情の「共通点」や「変化した点」を探しましょう。
例えば「困難な課題に対し、いつも同じ理由で頑張れている」とか「ツラさを感じるポイントが変化している」などです。
共通点は「価値観の軸」、変化した点は「成長した部分」だと考えられるからです。
「価値観の軸」の例としては、以下のようなものがありますね。
- 常に他人への貢献を考えて行動している
- 仲間との協働に価値を見出す
- 困難を努力で乗り越えることに強い喜びを感じる
また変化したポイントを見つけることで、「自分の成長に大きな影響を与えた出来事」が把握できるかもしれません。
分析結果をもとにあなたの「軸」や「成長」を探していきましょう。
自分史とモチベーショングラフを使う自己分析の手順
自分史とモチベーショングラフを使う自己分析の手順は以下の通りです。
- 小学校から現在までの自分史をつくる
- 小学校から現在までのモチベーション推移を書き出す
順番に解説していくので参考にしてみてください。
まずは小学校から現在までの自分史をつくります。
過去を振り返って、あなた自身の経験をデータとして集めるためです。
手書きでもいいので、以下のようなフォーマットをつくって、あてはまる出来事を埋めていきます。
小学校 | 中学校 | 高校 | 大学 | |
---|---|---|---|---|
楽しかったこと /ハマっていたこと |
友達とサッカーするのが楽しかった 感情:楽 |
2年生になって同じ趣味の友人ができた 感情:楽 |
||
ツラかったこと |
第一志望の高校に不合格だった 感情:哀 |
1年生のときクラスになじめなかった 感情:哀 |
||
頑張ったこと |
雑貨店のアルバイト 感情:喜 |
|||
印象に残っていること |
自分が描いた絵を弟に破られた 感情:怒 |
無理にすべての項目を埋める必要はありません。
埋められる項目部分を埋められたら、当時感じた感情(喜怒哀楽)を書き入れましょう。
自分史をもとに、小学校から現在までのモチベーション推移を書き出します。
「あなたのモチベーションが上がる理由」を探るためです。
年齢ごとの出来事は自分史で整理できているため、自分史で整理した感情(喜怒哀楽)に合わせてグラフをかけば、モチベーショングラフが完成します。
グラフ内には、モチベーションに影響した出来事にあわせて、以下の内容を手書きで良いので書き込んでください。
- 嬉しかった理由
- 辛かった理由
- モチベーションが上がった理由
モチベーションが上がっている出来事に共通する要因・感情を把握できれば、自分の「モチベーションの源」がわかります。
モチベーションの源の例には、以下のようなものがあります。
- 周りから頼られる
- 仲間と一緒に頑張れる環境
- 成長を実感できる
- 報酬での見返りがある
- ほめられたり感謝されたりする
- 目標が明確な環境
モチベーションの源が見えてくるのに合わせてあなたにマッチした職業が見えてきたりします。
例えば「自分は見返りがあると頑張れるみたいだから、出来高にあわせて給与にインセンティブがつく営業職が向いているかもしれない」といった感じです。
「自分のモチベーションを高めるもの」を知ることで、エントリーシートや面接の際にも具体的な自己アピールができるようになることでしょう。
自己分析をする際の注意点と押さえておきたいポイント
自己分析をする際の注意点と押さえておきたいポイントを紹介します。
- 思い込みを排除する
- 「企業の求める人物像」に寄せない
- 短所も把握する
- 自己分析は何度か行う
順番に解説していくので参考にしてみてください。
自己分析をする際の注意点と押さえておきたいポイント自分の思い込みを排除する
自己分析をする際には、自分の思い込みを排除していきましょう。
思い込みや決めつけによって、あなたが本来もっている強みや価値観を見失う可能性があるからです。
「自分のことは自分が一番わかっている」と思う人もいるかもしれませんが、自己分析をする中で、「意外な価値観が根底にある」と気づけたりします。
もちろん、あなた自身が今把握している自身の長所・短所がすべて間違いだとはいいません。
ただ思い込みを排除した状態で自己分析することで、あなたもまだ知らない自身の長所・短所が見つかる可能性もあります。
難しいかもしれませんが、自己分析の前にはできる限り自分の思い込みは捨てていきましょう。
自己分析をする際の注意点と押さえておきたいポイント「企業の求める人物像」に寄せない
希望している企業・業界が明確な場合、悪気がなくても「企業の求める人物像」に寄せないように注意しましょう。
選考に通過したいとの思いから、自己分析結果を企業にあわせてしまいやすいからです。
面接時の回答に一貫性がなかったり偏っていたりすると、「自分のことを理解できていない人」と思われやすいです。
また志望する企業に採用されたとしても、働き始めてから「自分の価値観と合わない」と苦しむことにもなりかねません。
企業のことは考えず、まずは自分自身と向き合ってみてください。
自己分析をする際の注意点と押さえておきたいポイント短所も把握する
自己分析では短所も見えてきます。
人によっては「わざわざ自分のダメなところを見たくない」「いいところをアピールしないといけないのだから、短所を知る意味はない」と考えるかもしれません。
しかし自己分析で短所を把握するのは重要なこと。
面接やエントリーシートで短所・弱みを聞かれることも普通にあります。
なお「短所がたくさん見つかった。自分ってダメな人間だ」と落ち込む必要はありません。
見方をポジティブに変えれば、短所は長所になるからです。
例えば以下のような言い換えができます。
短所 | 長所への言い換え |
---|---|
空気が読めない | 言いにくいこともズバッと言える |
積極性がない | 慎重 |
考えるより前に行動して失敗する | 前向きで積極的 |
流されやすい、自分の意見がない | 他人を尊重して合わせられる |
また改善できそうにない短所を把握しておくことで、「相性の悪い企業・職種」を避けたりもできます。
そのため自己分析では短所もしっかり把握しておきましょう。
自己分析をする際の注意点と押さえておきたいポイント自己分析は一度で終わりじゃなく繰り返し行う
自己分析は一度だけで終わらせるのではなく、何回も繰り返し行っていきましょう。
就職活動中に考え方や価値観が変化することも珍しくないからです。
たとえば就職活動中に他の人からの話を聞く機会も増えます。
- 企業説明会やセミナー
- 転職フェアやイベント
- 企業面接
- 企業訪問
学生生活では得られなかった色々な話や新しい知識を取り入れることで、価値観や考え方が変わってきたりします。
そのため自己分析は「就職活動開始前」「就職活動中」「内定獲得後」に適宜行うのがおすすめです。
就職活動が本格化する前 | 就職活動の準備として1回目の自己分析を済ませる。しっかり時間をとって自己分析できる。 |
---|---|
就職活動中 | 就職活動中に価値観が変化することがある。そのため「希望する業界・企業の説明会や面接に行ってみたが、違和感がある」「面接でよい結果が出ない」という場合に、自己分析をやり直してみる。 |
内定後 | 内定をくれた企業とのマッチ度を確かめるため、自己分析をやり直してみる。 |
何度もやるのは億劫に感じる人もいると思いますが、「自己分析は1回やったら終わりではない」と認識しておきましょう。
自己分析で使えるおすすめツール4選
具体的なエピソードの洗い出しや掘り下げは自力で行う必要があります。
ただ「自分の考え方」「強み・弱み」を把握して自己分析の方向性を決めるにあたっては、「自己分析ツール」も便利です。
自己分析の参考として使える、おすすめの無料ツールを4つ紹介します。
- 適性診断AnalyzeU+(オファーボックス)
- キミスカ適性検査
- 適性診断MATCH plus(マイナビ)
- リクナビ診断
なお「16personalities(いわゆるMBTI)」などの性格診断ツールを、就活の自己分析に使うことも可能です。
ただ就活用につくられたツールの方が、就活や仕事への活かし方がわかりやすいので、この記事では就活用の自己分析ツールを紹介します。
自己分析ツールを探している方は参考にしてみてください。
自己分析で使えるおすすめツール強み・弱みを知りたいなら「適性診断AnalyzeU+」
自分の強みや弱みを把握したいなら、「適性診断AnalyzeU+」がおすすめです。
適性診断AnalyzeU+は「累計100万人のデータ」「251もの質問」をもとにしており、あなたの性格を詳しく診断してくれるからですね。
データも質問数も豊富なので、診断結果の信頼性は高いと考えられます。
診断結果は28項目に分けてわかりやすく表示され、強みが一目で把握できます。
自己PRの参考にできるアドバイスもついてくるので、エントリーシートや面接で話す内容にも活かしやすいでしょう。
利用するには就活生向けスカウトサービス「オファーボックス」への登録が必要です。
登録は無料なので、気になる方はぜひ登録して使ってみてください。
自己分析で使えるおすすめツールキミスカ適性検査
「適している働き方や業務の特徴」を知りたいなら、キミスカ適性検査を試してみましょう。
キミスカ適性検査では、質問への回答をもとに「タイプ別適職」「適性のある職務」などを診断してくれるからです。
具体的には以下のような診断ができます。
タイプ別適職グラフ | 働き方のタイプを「ゼネラリスト」「フリーランサー」「パイオニア」「スペシャリスト」に分けて診断。 |
---|---|
適職診断 | 職務への適性を細かく診断。例えば「企画力や想像力が求められる職務への適性」「情報収集と問題分析力が必要な職務への適性」など。 |
適性チャート | 社会人として必要とされる性質(社交性、活動性など)を診断。 |
ストレス耐性 | どんなことにストレスを感じやすいか診断 |
利用するには、学生向けスカウト型求人サイト「キミスカ」への登録が必要です。
登録は無料なので、気になる方はぜひ登録してみてください。
自己分析で使えるおすすめツール向いている業界・職種を知りたいなら「適性診断MATCH plus」
向いている業界・職種を知りたい人におすすめなのは、「適性診断MATCH plus」です。
適性診断MATCH plusで質問に答えると、あなたにマッチすると思われる業界・職種をランキング形式で表示してくれるからです。
そのため「志望職種を絞り込めていない人」「向いている業界を探している人」におすすめできます。
また「パーソナリティ分析」「社会人基礎力」など、業界・職種ランキングのほかにも多面的な視点から適性診断が可能です。
「就職活動前に取り組むべきこと」のアドバイスも得られるので、就職活動を効率的に進める助けになるでしょう。
過去3回分の回答が保存されるので、就職活動を通じて価値観が変化した際に気づきやすいのもメリット。
適性診断MATCH plusを利用するには、就職情報サイト「マイナビ」への登録が必要です。
マイナビの登録は無料なので、気になる方はぜひ登録して使ってみてください。
自己分析で使えるおすすめツール手軽に適職診断できる「リクナビ診断」
手軽に適職診断したい方におすすめなのが、「リクナビ診断」です。
リクナビ診断は4択式で質問に答えていくだけで、向いている仕事を提案してくれるツールだからです。
短時間で適職診断ができるので、「自分に向いている業界や職種がまったく見えてこない」という人におすすめできます。
ただし解説・説明があっさりしているので、詳しい分析を求めている人は「適性診断AnalyzeU+」「適性診断MATCH plus」のほうがおすすめ。
利用するには「リクナビ」への登録が必要です。
登録は無料なので、気になる方はぜひ登録して使ってみてください。
またリクナビに登録すると性格診断に特化した「リクナビ性格検査」もあります。
「リクナビ性格検査」は「人との接し方」「目標設定」における特徴や「向いている職場の雰囲気」などがわかるツールです。
「リクナビ診断」と「リクナビ性格検査」を合わせて利用することをおすすめします。
自己分析をした理由ランキング
就活・転職活動時に自己分析を「充分にした」「まあした」と回答した357人に、自己分析した理由を聞きました。
自己分析をした理由としてもっとも多かったのは「面接対策(110人)」でした。
次ぐ2位は「適職・適性を知るため(92人)」、3位「自分を知るため(71人)」と続きます。
自己分析の目的は、
- 自分を深く理解して能力を活かせる仕事を見極めること
- 自分の能力やアピールポイントを企業に伝えられるようにすること
と言われていますから、目的をしっかり理解したうえで自己分析を行っている人が多いとわかります。
では具体的な回答を紹介していくので参考にしてみてください。
自己分析をした理由1位 面接対策
- 面接で聞かれる項目は、自己分析していないと答えられないから(22歳 男性)
- 自己分析をしないと志望動機や自己アピールに一貫性や説得力が欠けるから。また、面接では込み入った自分自身のことを質問されることが多いので、自己分析なしではスムーズに就職活動ができないと思う(27歳 女性)
- 面接での会話に対応するため。沈黙や的を得ない回答で失敗するケースを防げた(34歳 男性)
1位は「面接対策」でした。
面接では「自己PR」「志望動機」「企業にどのような形で貢献できるか」など、さまざまな質問をされます。
自己分析をしていないと受け答えに理由づけができず、説得力がなくなってしまいます。
自己分析をした理由2位 適職・適性を知るため
- 自己理解を深めないと、どういった業界や職種が自分に適しているのか分からないと思ったから(22歳 女性)
- 自己分析しなければ自分の強みを無駄にして、好きでもない仕事内容や、自分に合っていない仕事についてしまう不安があったため(30歳 女性)
- 自分にどんな傾向があり、どんな作業やどんな仕事が向いているのか知りたかったから(27歳 男性)
2位は「適職・適性を知るため」。
「これと思える仕事がない」という人は少なくありません。
とくに就業経験の少ない20代であれば「自分がどんな仕事に向いているかわからない」と思うのはごく普通です。
そのため、「得意・不得意」「興味・関心」などを分析して、適職・適性を見つけたかったという人が多くなりました。
自己分析をした理由3位 自分を知るため
- 自分自身がどのような人間で、仕事をする上で大切にしたいことを把握するために自己分析は必須と考えたから(22歳 女性)
- 自分がどんな仕事につきたいのか、どんな価値観なのか改めて整理したかったため(28歳 女性)
- 12年間同じ業界にいたため、自分にはなにができるのか?何がしたいのか?何が目的なのか?を知る必要があると思った(35歳 男性)
3位には「自分を知るため」がランクイン。
「やりがいのある仕事」「能力を活かせる仕事」を見つけるためには、自分の性格や考え方の傾向、興味、得意不得意を知ることが重要と言われています。
「自分のことはよくわかっている」と思っていても、意外とわかっていないこともあるもの。
そのため、自分自身を知るために自己分析をした人も多くなりました。
また、今の仕事が本当に自分に合っているかを再確認するために自己分析をした人も目立ちました。
自己分析をした理由4位 アピールポイントを明確にするため
- まずは自己分析をし、自分のセールスポイントがわからないと転職で自分を売り込めないため(31歳 男性)
- 異業種へ転職希望だったため、自分の強みを活かせる場がどこなのか整理して選定するため(37歳 男性)
- 自分のことを他者にどのようにわかってもらうか、どう表現するかを追求して自己分析しました(27歳 男性)
4位は「アピールポイントを明確にするため」でした。
アピールポイントを明確にするためと回答した人の目的は大きく分けて2つ。
1つ目は「自分の強みが活きる仕事を見つけるため」、2つ目は「企業に自分を売り込むため」でした。
アピールポイントがわかれば、自分の長所や能力が活きる仕事を探しやすくなります。
自己分析をした理由5位 企業とのミスマッチを防ぐため
- 年齢・環境・ライフステージなど状況が変化するたびに働く会社に求めるものが変わるため、入社後のミスマッチを防ぐために自己分析を行いました(31歳 女性)
- 自分と企業のマッチングが出来ていないと、入社してから長続きしないため(22歳 男性)
- 「今勤務している会社の何に不満を持ったのか?」が明確でないと、転職先でも同じような不満を持ち、また転職活動を行うことになるから(21歳 男性)
「企業とのミスマッチを防ぐため」が5位。
「どのような働き方をしたいか」「どのような労働環境で働きたいか」などをよく考えずに就職先を決めると、ミスマッチ(入社前と入社後のギャップ)が起こる可能性もあります。
たとえば、「思っていたような仕事ができない」「ワークライフバランスが取れない」「給与に不満がある」などです。
過去に仕事選びを失敗したため、転職時には自己分析を丁寧に行ったという人も目立ちました。
面接対策や仕事選びに不安がある人には自己分析をおすすめします。
自分自身をより詳しく知れば、面接時や履歴書に書く志望動機もアピールしやすくなりますし、適切なキャリアを選択できます。
ただ、プロセスを間違えて、誤った自己分析を行ってしまうことも。
自己認識のズレが生じてしまうこともあるので、友人や家族にフィードバックを求めるといいでしょう。
フィードバックをお願いできる人がいないなら、「就活エージェント」や「転職エージェント」の利用もおすすめです。
担当キャリアドバイザーに、自身が行った自己分析をもとに考えた「自己PR」や「志望動機」などを聞いてもらい、アドバイスをお願いしてみるといいでしょう。
また面談を行ったうえで、適性に合った求人を紹介してもらうことも可能なので、ぜひ活用してみてください。
自己分析をしなかった理由ランキング
続いて、自己分析を「全くしなかった」「あまりしなかった」と回答した143人にしなかった理由を聞きました。
自己分析をしなかった理由でもっとも多かったのは、「必要性を感じなかった(52人)」でした。
自己分析の重要性は耳にするものの、「自分には必要ない」「やらなくても困らない」「やっても意味がない」と思った人も多いようです。
以降、2位「やりたいことが明確だった(19人)」、3位「やり方がわからなかった(18人)」と続きます。
では、具体的な回答を見ていきましょう。
自己分析をしなかった理由1位 必要性を感じなかった
- 自己分析をしたところで採用も不採用も決めるのは会社側なので(20歳 男性)
- 細かく自己分析しても具体的にどんな仕事が良いのかは分からないし、都合よくその仕事の求人が出ていたり求められる条件に自分が合致しているとも限らないので(29歳 男性)
- 自己分析をわざわざしなくても、なんとなく分かっているような気がしたから。採用されるキャラを演じれば十分だと思った(22歳 女性)
「必要性を感じなかった」が1位。
「自己分析することに意味やメリットを感じられない」という意見が多く寄せられました。
具体的な理由としては「自己分析が採用に直結するわけではない」「自己分析をしても、企業の求める人物像ではないと結局は採用されない」など。
「自己分析自体が採用に直接つながるわけではないので不要」と感じている人が多いようです。
「分析しなくても自分のことはわかっている」「自己分析をしなくても受かる会社だった」という人もいました。
自己分析をしなかった理由2位 やりたい仕事が明確だった
- 自分が入りたい会社、やりたい仕事が明確にビジョンとしてあったから(26歳 男性)
- 業種が絞れていたので特に必要なかった(28歳 女性)
- 自分の好きな分野へ転職しようと考えていたため、自己分析は必要なかった(23歳 女性)
2位は「やりたい仕事が明確だった」です。
自己分析は「やりたいことがわからない」「向き・不向きがわからない」など、仕事選びの初期段階で悩んでいる場合にも役立ちます。
そのため、仕事選びの軸が決まっていて迷いがない人は、自己分析の必要性を感じないのかもしれません。
自己分析をしなかった理由3位 やり方がわからなかった
- 自己分析をする必要があるとわかっていたがどのようにしたらいいのかよくわからなかった(22歳 女性)
- どんな風に分析したら良いのかいまいちわからなかった(32歳 女性)
- したいと思っていたが、自分一人でやる方法がわからず苦戦した(38歳 女性)
3位には「やり方がわからなかった」がランクイン。
「自己分析の必要性は感じたものの、やり方がわからなかったためしなかった」という人も多いです。
たしかに「自己分析」と聞くと、難しそうなイメージがありますよね。
自己分析には「過去の深掘り」や「他己分析」などさまざまな方法があります。
自己分析をしなかった理由4位 しようという意識がなかった
- 自己分析をするべきだと言われたことがなかったから、存在を知らなかった(32歳 女性)
- あまり深くは考えていなかったから(23歳 男性)
- 転職において自己分析という概念自体が思い浮かばず、労働条件主体で考えていました(27歳 女性)
4位は「しようという意識がなかった」でした。
「自己分析の存在を知らなかった」「重要性に気づかなかった」などの理由から、自己分析をしようという意識がなかった人も。
何も考えず「なんとなく就職活動をしていた」という人も複数いました。
また、給与や勤務時間といった「労働条件」を主軸に職場を選んだ人は、自己分析をして自分の内面を深掘りしようとまでは考えなかったようです。
自己分析をしなかった理由5位 時間がなかった
- 仕事を続けながら転職活動をしていたので、自己分析をする時間があまり取れなかった(30歳 女性)
- 自己分析に時間を割くよりも、受けられる企業へのエントリーや面接に必死だった(28歳 女性)
- すぐに転職したかったため自己分析している時間がなかった(28歳 女性)
「時間がなかった」が5位。
自己分析は自分の内面や過去に向き合ってじっくり考える必要があるため、しっかり行うにはある程度時間がかかります。
そのため、とくに働きながら転職活動をする場合は、自己分析に割く時間や気持ちの余裕がないのかもしれません。
自己分析はやっておいて損をするわけではないので、ぜひ就活・転職活動を始める前に行ってみてください。
就活・転職活動だけでなく、入社後に役立つ可能性もありますし、新たな自身の発見につながることも。
とくに面接では、自己分析をせず面接対策マニュアルどおりの受け答えをしていると、採用担当者に準備をしていないと気づかれてしまいます。
「志望度が低いのではないか」「やる気や熱意が感じられない」と、悪い印象を与えてしまった結果、不採用になるケースもあるので注意してください。
また、自己分析によって強みがわかったり、やりたいことが明確になったりすることで、自信にもつながるでしょう。
「自己分析って意味があるのかな」と思っている人は、当記事で紹介している自己分析に使えるおすすめツールを一度試してみてください。
自己分析を行うことで会社選びの失敗する確率を減らそう
自己分析をしなかった理由の1位は「必要性を感じなかった」でしたが、たしかに自己分析をしなくても採用される人はいます。
ただ自己分析をせずに就職や転職をすると、働きはじめてから企業とのミスマッチを感じるケースも少なくありません。
「向いていない気がする」「もっと自分に合う仕事がありそう」といった漠然とした理由で、転職を繰り返す可能性もあります。
一方、自己分析をして自分自身を深く知れば、「能力を発揮できる仕事」「いきいきと働ける職場」が明確になり、会社選びの失敗を減らせるのではないでしょうか。
将来に向けてのキャリアが明確になることで、面接にも自信をもってのぞめるでしょう。
もし自分で行った自己分析に自信を持てない場合、キャリア設計のプロからコーチングを受けてみるのもおすすめです。
性格診断やキャリアの棚卸しができる。
【公式】https://majicari.com/
徹底的な自己分析が可能。
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コーチングによる自己分析支援あり。
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就職・転職は人生の大きなターニングポイントです。
ぜひ自己分析をしっかり行って、就活や転職活動を成功させましょう。