派遣社員として研究開発職をしている方に、『派遣を選んだキッカケ』を聞いたところ、「研究職は正社員になるのが難しいから」という理由が多いとわかりました。
- 正社員の研究職は募集が少ない
- 国家資格者やマスターでないと研修職に就くのは難しい
など、「本当は正社員になりたいけれど難しいから…」とお悩みなら、派遣会社への登録がおすすめです。
派遣は正社員採用よりもずっと門戸が広く、募集求人数も多いため、研究職の仕事に就ける可能性が高いからです。
「でも、派遣の就業先ってどうなの?」と思う人もいるかもしれませんが、その点も安心してください。
研究職専門の派遣会社では、大手メーカーや大学の研究施設の求人を数多く扱っています。
正社員にとって狭き門である企業にも、派遣社員としてなら就くことが可能なのです。
また、派遣会社の中には正社員へのキャリアチェンジ体制を整えているところも多いため、派遣を足がかりにして正社員になる道もあります。
当記事では、研究職・理系の上質な求人が多い派遣会社をランキングにしました。
さらに、実際に派遣社員として働いた経験者の口コミをもとに、派遣研究職のメリットやデメリットについても詳しく解説します。
研究開発職・理系におすすめの派遣会社ランキング|各社の特徴や強みも紹介
ではさっそく、研究開発職・理系で働きたい人におすすめの派遣会社をランキング形式で紹介します。
なおランキングは、以下をもとに編集部が独自に順位付けしています。
各派遣会社の特徴や、強みについても紹介しているので、派遣会社選びの参考にしてみてください。
【1位 パーソルクロステクノロジー】IT・エンジニア系開発職に強い
パーソルクロステクノロジーは、テンプスタッフのIT事業を担う「テンプスタッフ・テクノロジー」と、「インテリジェンス」の派遣部門が統合した、IT・機電エンジニア専門の派遣会社。
WEBアプリケーションから、産業機械、ロボットまで、IT・機電分野の開発の求人を得意としています。
需要の高いエンジニア系開発職は、時給の高さが魅力。
パーソルクロステクノロジーの求人は9割以上が経験者向けであるものの、2,500~3,000円といった高時給案件が多数あります(※)。
また、公式サイトの求人ページには「月の残業時間の目安」が明記されているので、ワークライフバランスを考えたお仕事選びができるのも嬉しいですね。
交通費に関しては、他社に先がけて2019年4月から全案件で支給を開始しています。
働きやすさと待遇を重視している方は、ぜひ選択肢の一つに入れてみてください。
※調査日2020年8月25日
職種一覧 | IT(開発エンジニア・サーバーエンジニア)、機械系(製品開発・研究・実験・CAE解析)、電気・電子系(製品開発・研究・実験・試験)、化学材料系エンジニアなど |
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- IT・機械・電気・電子系の研究・開発に強い
- 全案件で交通費支給
- 2,500~3,000円の高時給案件が多数
【2位 WDB】未経験・文系でも研究職ができる
WDBは創業30年以上(※1)の研究職専門の派遣会社。
理学系の研究職派遣で働く人の1/3がWDBグループから就職しており、医薬品・化学・食品業界、公的研究機関、国公立大学に数多くの取引実績があります(※2)。
味の素/三菱電機/京都大学/東京大学/産業技術総合研究所/武田薬品/大阪大学/日東電工/カネカ
「でも研究職って理系出身か、経験やスキルが必要でしょ?」と思う人も多いと思いますが、WDBなら『未経験』でも『文系出身』でも研究職に就くことが可能。
WDBでは、実験室での安全知識から基本的な実験手法まで、専門性の高いスキルが身につく研修が数多く用意されているからです。
実際、WDBでは4割近くが文系出身(※2)であり、未経験の方がイチから研修を受けて研究職に就いた実績も多数あります。
「社会保険」「各種休暇」「通勤費全額支給」はもちろん、他社にはないオリジナルの福利厚生も充実しているので、検討してみてはいかがでしょうか。
(※1)2023年9月時点
(※2)「WDB」公式サイトより(2023年9月時点)
- 特別ボーナス制度(就業日数が110日以上の人対象)
- 就業後の定期研修(振り返り研修など)
- 支店ごとのキャンペーン(転居支援金など)
職種一覧 | 研究、開発、分析、評価、製造(医薬品・食品・化粧品・科学・電気・電子・機械・工学・材料・素材)、薬事(臨床開発モニター・治験コーディネーター・治験事務)など |
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- 大手企業・研究機関・国公立大学への求人実績多数
- 「未経験」「文系」でも研究職が目指せる(※2)
- ボーナス・無料研修コースなど福利厚生が充実
【3位 テンプスタッフ】女性の働きやすい求人が多数
テンプスタッフは、「求人数」「担当者の質」「福利厚生の充実度」が業界の中でも多数。
また、実際に利用している派遣スタッフの口コミ評価が高いのも特徴です。
当メディアが行った大手派遣会社ランキングの投票結果でも1位となっています。
また、テンプスタッフは創業者が女性であることから、女性にとって働きやすい求人やサポート体制が充実しているのも特徴。
たとえば、
- 時短
- 週3回
- 週数回リモート
- 時差通勤
といったムリのない働き方ができる求人、「ママ向けセミナー」の開催、ベビーシッターや家事代行の割引サービスなどがあります。
研究職専門の派遣会社ではないものの、研究開発・臨床開発の求人数は常時2,000件以上(※)と、理系専門の派遣会社に引けを取りません。
女性で派遣研究職を目指す方は、ぜひテンプスタッフをチェックしてみてください。
※調査日2020年8月25日
職種一覧 | 研究開発、実験、検査、分析、試作業務、臨床開発、医薬情報関連業務(テレマーケティング)、研究資料移管業務など |
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- 求人数・担当者の質・福利厚生において業界の中でも多数
- 働く女性へのサポートが手厚い
- 利用者の評価・満足度が高い
【4位 チャレッジ】無料研修制度が充実
チャレッジは、大手人材派遣会社「テンプスタッフ」の理系・研究職に特化したサービスブランド。
登録者向けに充実した無料研修が用意されています。
長年の実績から企業や研究機関からの信頼も厚く、幅広い業種・職種の求人を扱っています。
未経験から始められるお仕事も多数あるため、スキルに自信がない、経験が浅いといった方は、研修を受けながらキャリアアップしていくことも可能ですよ。
創業以来、女性の働きやすさを追求している会社であることから、病児保育やベビーシッターサービスなど、働く女性のための制度も整っています。
出産や育児で現場を離れていた方も、無理なく職場復帰を目指せるでしょう。
職種一覧 | 研究、実験、分析(バイオ・基礎研究・化学分析試作開発・品質管理・検査・測定・評価)、理系事務(生物・化学・医薬・農学・食品科学)、臨床開発(開発モニター・モニターアシスタント・データマネジメント)、栄養士・管理栄養士(食品メーカー開発業務)など |
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- 「研究開発向け」の無料研修を随時開催
- 「理系事務」や「栄養士」のスキルを活かせる求人も多数
- 病児保育・転居支援制度など他社にはない福利厚生も充実
【5位 アドバンテック】社員登用実績のある求人多数
アドバンテックは、全求人の2割が「正社員登用あり」の求人(※)。
そのため、『派遣から社員』へのキャリアチェンジも可能です。
また、全求人の半数以上で就業前に無料研修を受けられるため、
- ブランクがある
- 大学は理系だが、理系と無関係の仕事に就いていた
- 経験が少ない
といった理由で研究職への就業に自信が持てない人にもピッタリの派遣会社です。
正社員を目指したい方、経験やスキルに不安がある方は、アドバンテックを活用するといいでしょう。
※調査日2020年8月25日
職種一覧 | バイオ(遺伝子・微生物・薬理・病理・動物実験)、化学(食品分析・医薬品分析・化粧品分析・化学分析・環境分析・触媒・有機合成・無機合成)、臨床開発モニター、治験コーディネーター、治験事務、薬事申請、市販後調査、特許、文献調査、統計・解析など |
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- 社員登用実績のある求人多数
- 研修制度あり
- 実務未経験から、ブランクのあるシニアまで幅広い求人がある
【6位 RDサポート】土日祝休み&残業なしの求人多数
RDサポートは、求人の80%以上が「土日祝休み」、30%近くが「残業なし」です(※)。
研究職は、残業や休日の自主出勤があたりまえの世界ですが、「仕事一色でプライベートがなくなるのはツライ」「ライフステージの変化により、仕事中心の生活が難しくなった」という人も多いのではないでしょうか。
RDサポートなら、ワークライフバランスを実現できる求人が見つかりますよ。
「未経験可」のお仕事は少なめですが、「学生実験」を経験とみなす求人は多数あります。
実務経験のない方は、コーディネーターに相談してみるといいでしょう。
※調査日2023年8月25日
職種一覧 | 品質管理、品質保証、商品開発試作、基礎応用研究、臨床試験関連、製造生産管理、献立作成調理、保健指導、事務関連職、電話オペレーターなど |
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- 求人の80%が土日祝休み(※)
- 残業なしの求人が多め
- 学生実験の経験が活かせる仕事あり
【7位 東レエンタープライズ】東レグループで働ける
東レエンタープライズは、合成繊維や合成樹脂などの素材を扱う大手化学企業「東レ」100%出資の人材サービス会社。
東レの研究施設や商社、アパレル業界など、求人先はほとんどが大手です。
「未経験歓迎」「第二新卒歓迎」から、年収1,000万の社員登用が目指せるミドル世代・経験者向けまで幅広い求人があります(※)。
求人エリアはおもに関西(大阪・京都)と首都圏(東京・神奈川)となっています。
上記エリアでの勤務を希望している方は、押さえておくといいでしょう。
※調査日2020年8月25日
職種一覧 | 科学系研究開発・実験補助、医薬品研究開発・薬品分析、バイオ研究開発・実験補助、治験・薬事、研究事務など |
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- 東レグループで働ける
- 治験・薬事・研究事務の求人も多数
- 東レ100%出資会社で福利厚生も充実
研究開発職・理系におすすめの派遣会社のうち、公開求人の掲載がある6社を、求人数が多い順にランキング形式でまとめてみました。
ランキング | 派遣会社名 | 求人数 |
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1位 | WDB | 3,189 |
2位 | アドバンテック | 2,227 |
3位 | テンプスタッフ | 1,916 |
4位 | パーソルクロステクノロジー | 1,126 |
5位 | RDサポート | 373 |
6位 | 東レエンタープライズ | 26 |
(調査日:2023年9月20日)
派遣会社によって求人数に差はありますが、あくまでも公開されている求人です。
非公開の求人を保有している派遣会社も多いので、公開求人数が少なくても、魅力的な案件を紹介してもらえることもあります。
各社どのような求人を扱っているのか、ぜひ一度チェックしてみてください。
派遣の研究開発職の働き方3つ
ひと口に「派遣の研究開発職」と言っても、大きく分けて3つの働き方があります。
- 登録型派遣=働く期間・場所を選べる
- 紹介予定派遣=社員登用を前提に働く
- 正社員型派遣=派遣会社の社員になる
「ずっと派遣をしていくのか」、それとも「将来的には正社員を目指すのか」によって、どの働き方を選べばよいかは変わってきます。
それぞれの違いを見ていきましょう。
【1.登録型派遣】働く期間・場所を選べる
「勤務条件を自分で選びたい」「自由度の高い働き方をしたい」という方におすすめな登録型派遣。
3ヶ月、6ヶ月といった期間限定の雇用形態で、派遣ではポピュラーな働き方です。
「働く期間」「勤務時間」「勤務地」「時給」などの希望に合った派遣先を選べるため、そのときどきのライフスタイルに合わせて働けるのが魅力。
派遣期間はあらかじめ決まっているか、または「○ヶ月ごとに更新」となっており、派遣先との合意があれば更新を繰り返しながら最長3年間、同じ職場で働くこともできます。
また、1ヶ月~3ヶ月未満の短期派遣という選択肢もあります。
働ける期間が限られている方にもおすすめです。
- 好みの勤務条件で働ける
- 興味のある仕事(研究)だけできる
- 短期間でさまざまな職場を経験できる
【2.紹介予定派遣】社員登用を前提に働く
「将来は正社員になりたい」という方におすすめなのが紹介予定派遣です。
紹介予定派遣とは、派遣先での社員登用を前提として、一定期間(最長6ヶ月)働く雇用形態。
派遣先との合意があれば、派遣期間終了後に社員として直接雇用されます。
いわゆる直接雇用前に「トライアル」ができる働き方です。
働いてみた結果「自分には合わない」と思えば、『派遣期間満了』で辞められます。
『退職』ではないので、履歴書にキズがつかないのも大きなメリットです。
直接雇用を希望する場合は、担当者に意向を伝えておくといいでしょう。
- 職場環境や仕事内容に納得した上で就業できる
- 一旦派遣として働き、合わなければ就職しない選択もできる
- 履歴書作成や面接対策を派遣会社にサポートしてもらえる
紹介予定派遣を探したい場合、「紹介予定派遣はどこがいい?職種別・エリア別求人数からわかったおすすめ派遣会社ランキング」の記事をチェックしてみてください。
【3.正社員型派遣】派遣会社の社員になる
派遣でありながら、雇用や給与の安定も享受できるのが正社員型派遣です。
正社員型派遣は『派遣会社の社員』になり、派遣先で働く雇用形態。
登録型派遣は、派遣されている期間のみ派遣会社との雇用契約を結びますが、正社員型派遣は、派遣されていない期間も派遣会社との雇用関係がずっと続きます。
そのため、派遣先との契約が終了し、次の仕事が決まるまでの「無職期間」も給与が支払われます。
ただし正社員型派遣の場合、派遣会社から派遣先を指定されるため、登録型派遣に比べて仕事を選択する自由度は低くなる傾向に。
仕組みをしっかり理解した上で選択するようにしましょう。
- 雇用が安定する
- 派遣されていない間も給与が支払われる
- 同じ派遣先で3年以上働ける
研究開発職・理系におすすめの派遣会社の選び方
研究開発職・理系の派遣会社の選び方として押さえておきたのは次の3つです。
- 研究開発職・理系に特化した派遣会社を選ぶ
- こだわり条件に合った研究開発職・理系の求人が多い派遣会社を選ぶ
- 派遣先企業で正社員登用された実績がある派遣会社を選ぶ
それぞれの選び方について詳しく説明するので、どこの派遣会社に登録すればいいのか悩んでいる方は、参考にしてみてください。
1.研究開発職・理系に特化した派遣会社を選ぶ
まずは、研究開発職・理系に特化または強い派遣会社を選びましょう。
さまざまな研究開発職の求人を多数扱っており、担当者の職種に対する理解も深いからです。
研究開発職は専門的な分野のため、派遣会社によっては求人がほとんどないこともあります。
また、担当者が仕事を理解しておらず、ミスマッチ案件が紹介される可能性も否定できません。
研究開発職に特化または強い派遣会社であれば、「登録したのに求人がない」という心配もありませんし、相談や希望も理解してもらいやすいでしょう。
今回おすすめランキングで紹介している7社は、いずれも研究開発職に特化または強い派遣会社です。
ぜひ、7社の中から自分に合った派遣会社を選んでみてくださいね。
2.こだわり条件に合った研究開発職・理系の求人が多い派遣会社を選ぶ
こだわり条件に合った研究開発職・理系の求人が多い派遣会社を選ぶのも大切です。
派遣会社にはそれぞれ特徴があり、得意分野や強みも異なるからです。
研究開発職と言っても、「システム系」「バイオ・化学」「メディカル」など職種はさまざま。
さらに「勤務地」「時給」「仕事内容」「勤務時間」「休日」など、人それぞれ重視する条件もあるでしょう。
たとえば、「時給の高さ」を重視する方は、高時給案件を得意とした派遣会社を選ぶと希望が叶いやすくなります。
希望に合った求人数が多ければ選択肢も広がり、仕事も見つかりやすくなります。
自分は何にこだわって仕事を探すのかを明確にし、優先順位をつけてみてください。
3.派遣先企業で正社員登用された実績がある派遣会社を選ぶ
正社員を希望する方は、派遣先企業で正社員登用された実績がある派遣会社を選ぶのがおすすめです。
多くの方が「正社員になれなかったから」という理由で派遣の研究開発職を選択するため、正社員登用の実績が豊富な派遣会社を選べば、チャンスの広がる可能性があります。
正社員登用とは、派遣先企業が派遣社員の適性や勤務態度などを評価し、直接正社員として雇用することです。
紹介予定派遣のように、「3ヶ月後に直接雇用」といった明確な契約はありませんが、実績がある派遣会社を選べば可能性も高まるでしょう。
正社員登用の実績があるかは、公式サイトや口コミをチェックしてみてください。
また、派遣会社が「人材紹介業の許可」を持っているかもチェックポイントです。派遣のみのサービスだと正社員紹介ができないため、紹介業の許可がある派遣会社を選ぶといいでしょう。
おすすめランキングで紹介している7社はすべて「有料職業紹介事業」の許可を持っているので(※2024年12月時点)、ぜひ選択肢に入れてみてください。
【正社員と比較】派遣で研究職をするメリット3つ
- 「正社員の方が仕事内容や待遇が充実しているのでは?」
- 「派遣でも本当に研究開発ができるの?」
派遣で研究職を選ぶ際、上記のような不安を抱く方もいるのではないでしょうか。
この章では、派遣で研究職をする次の3つのメリットについて、正社員との違いを比較しながら解説します。
- 未経験でも研究職で働ける
- 幅広い分野・研究の経験できる
- ライフスタイルに合わせて働ける
実際に派遣社員として研究職をした経験がある人の口コミも併せて紹介するので、参考にしてみてください。
1.派遣なら未経験でも研究職で働ける
派遣研究職のメリット1つ目は、未経験でも研究職で働けるチャンスがあることです。
正社員の研究職は非常に狭き門です。
そのため、新卒で研究職に従事できずに他の仕事に就く人も少なくありません。
一方、派遣は正社員に比べて就業のハードルが低いため、「新卒で研究職に就けなかった方」や「他業種で働いていた研究職未経験の方」でも仕事に就けるチャンスがあります。
また、研修制度が充実している派遣会社もあるので、初心者向けの仕事から段階を踏んでキャリアアップすることも可能です。
- 学生時代から研究職を志望していたが、就職活動がうまくいかず希望しない仕事についた。のちに研究職への転職活動をしたが未経験での正社員採用は厳しく派遣を選んだ。半年後、派遣先で正社員雇用になれた
- 研究をしたかったが正社員採用が難しく、派遣だと気軽に有名企業で興味のあるテーマの研究に携われたから
未経験から研究職を目指すなら、次の派遣会社がおすすめです。
2.幅広い分野・研究の経験ができる
派遣研究職のメリット2つ目は、幅広い分野・研究などの経験ができることです。
派遣会社には、メーカーから大学、病院まで幅広い求人があり、派遣スタッフはさまざまな案件を紹介してもらえます。
幅広い経験が積みたい方は、希望条件を絞り過ぎず、提案された案件が希望と少し違っても検討してみるといいでしょう。
早いうちにいろいろな経験をして視野を広げたい方、実務経験を積んでスキルアップにつなげたい方に、派遣という働き方はおすすめです。
- さまざまな企業の技術を見ることができるため、自身のスキルアップにつながる
- 派遣は広い研究ができる。1つを追求するのではなく沢山の経験を積みたかった
- 派遣先の優秀な研究員と仕事ができ、スキルアップが期待できてキャリアを積める
3.ライフスタイルに合わせて働ける
派遣研究職のメリット3つ目は、ライフスタイルに合わせて働けることです。
派遣は「勤務時間」「勤務日数」「残業の有無」「勤務地」など、さまざまな希望条件を設定できる柔軟性の高い働き方です。
また、入社や退職も正社員に比べて気軽にできるため、仕事とプライベートを両立しやすい点が魅力と言えるでしょう。
研究職は職場やプロジェクトによって長時間勤務や残業が発生するケースも多く、とくに正社員ではその傾向が強いです。
そのため、正社員として働く研究職の方からは、「プライベートの時間が取れない」という声を耳にすることも。
派遣なら「配偶者の転勤」「出産」「子育て」といったライフスタイルの変化に合わせ、その都度、働き方や勤務先も柔軟に変えられます。
仕事だけでなくプライベートも大切にしたいと考える方は、ぜひ派遣社員という働き方を検討してみてください。
- 自分の時間を自由にコントロールでき、ワークライフバランスを保持できる
- 56歳で健康上の理由で正社員を早期退職した。派遣を選んだのは、無理なく、時間単位で働けるから
- パートナーが全国および海外転勤の可能性が高いため、臨機応変に対応しつつスキルを活かして家計を支えられる仕事としても派遣の研究職は適していると思った
【正社員と比較】派遣で研究職をするデメリット3つ
続いて、派遣で研究職をする際の、次の3つのデメリットについて、正社員との違いを比較しながら解説します。
- 補助的な仕事が多い
- 雇用や収入が不安定
- 正社員より給料が少ない
実際に派遣社員として研究職をした経験がある人の口コミも併せてご紹介。
また、デメリットを補う改善方法についてもアドバイスしています。
デメリットがあるからと派遣を諦めず、研究職に挑戦したい方は、門戸の広い派遣社員という働き方を検討してみてください。
1.派遣研究職は補助的な仕事が多い
派遣で研究職をするデメリット1つ目は、補助的な仕事が多く、研究のメインには携われないこと。
派遣研究職は、人員が足りない場合の補助として雇用されるケースが多いからです。
「未経験可」としている求人はもちろん、時給相場より低い求人は、正社員研究者のサポート的な業務内容である傾向にあります。
研究の核心部分に関わりたい方は、正社員登用の道もある「紹介予定派遣」がおすすめです。
また、派遣でも専門的な知識やスキルを求められることがあり、独自の研究を任せてもらえるポジションの求人が出てくることも。
派遣先によっては、派遣社員でも実験のプロセス設計などを任されることもあるので、担当者に希望を伝え、案件が紹介された際は業務内容をしっかり確認するといいでしょう。
- 研究の核心作業ができない
- 中心になって研究ができない
- 深い部分の研究にはメインとして携わりにくい
2.研究内容により契約期間が左右されやすく雇用や収入が不安定
派遣研究職のデメリット2つ目は、研究内容によって契約期間が左右されやすく、雇用や収入が安定しないことです。
研究の進行状況や予算などによって、契約が終了することもあるからですね。
また、研究職の派遣求人は決して多くないため、契約終了後すぐに、希望に合った次の仕事が間を空けずに見つかるとも限りません。
さらに時給制なので、給料は働いた時間分のみ。
月給制の正社員と違い、病気やケガで休んだ月、GWや年末年始のような休日の多い月は収入が減ってしまいます。
実家で暮らしている方や配偶者に収入がある方は問題にならないかもしれませんが、「将来は一人暮らしをしたい」「安定した収入を得たい」という方は派遣で経験を積み、正社員を目指すことも検討してみてください。
正社員の研究職を目指す場合は、派遣会社の紹介予定派遣という選択肢もありますが、なかなか求人が見つからないことも。
できるだけ長期契約の派遣先を選び、職歴を積んでおけば、正社員転職も目指しやすくなります。
スキルや経験を積んだ後、正社員転職を希望する場合は、転職活動をサポートしてくれる、転職エージェントを活用するといいでしょう。
- プロジェクト単位で契約終了となってしまう場合が多く、収入が不安定
- 突然契約打ち切りになる不安。収入面が安定しない
3.正社員研究者より給料が少ない
派遣研究職のデメリット3つ目は、正社員よりも給料が少ないことです。
研究職専門の派遣会社「WDB」における、派遣の月給相場は約27万円。一方、同社正社員の月給相場は28万円となっています。(※)
正社員の月収平均より低いことに加え、派遣社員は同じ派遣先の同じ部署で3年以上働けない「3年ルール」があるため、昇給が難しく、年収や将来的な給与は正社員研究者に比べて少ないことが多いです。
ただし、2020年4月の派遣法改正によって、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の不合理な待遇差を解消するための「同一労働同一賃金」が導入され、正社員と派遣社員の待遇差の改善が進んでいます。
派遣社員でも正社員と業務内容や責任の範囲が同じであれば、昇給・ボーナス・各種手当などが出るようになりました。
「昇給やボーナスの支給はあるのか?」「正社員との待遇差に不満がある」という場合は、派遣会社や担当者へ確認してみてください。
さらにスキルを磨いて専門性を高め、高時給のポジションを目指したり、契約更新時に時給アップの交渉を行ったりするのもいいでしょう。
※いずれも入社時点(2020年8月時点)
- 正社員と比較して給与が安く、昇給が少ない
- 仕事上の成果を上げても、賃上げ、ボーナス、成功報酬等がない
「派遣」の研究開発職がおすすめな人
「正社員になれなかったから」「正社員の求人が少ないから」という理由で派遣の研究開発職を選ぶ人は多いです。
しかし上記以外にも、派遣の研究開発職をおすすめしたい人がいます。
- 理系の大学を出たのに他業種で働いている
- ブランクはあるがもう一度研究職で働きたい
- 同じ会社で長く働けない
- 正社員で働いているが「ワークライフバランス」が取れない
なぜ上記の方におすすめなのか、詳しく解説するので、該当するかチェックしてみてください。
1.理系の大学を出たのに他業種で働いている
大学では理系を専攻したにも関わらず、理系とは全く関係ない仕事をしている人にも派遣はおすすめです。
正社員の場合、研究職はマスターや医療系の国家資格者でないと採用されづらいため、断念して別の道に進む人も少なくありません。
その点、派遣は正社員に比べて入社の敷居が低いため、憧れの研究職や理系の仕事に就くことも比較的容易です。
派遣なら、文系から研究職へ就く道もあるぐらいなので、理系の大学を出ている方であれば、大手メーカーや大学の最先端研究の場に身を置くことも可能です。
就活で研究職を諦めてしまった方にも、派遣はおすすめですよ。
2.ブランクはあるがもう一度研究職で働きたい
結婚・出産・介護などを機に仕事を辞め、ブランクがある人にも派遣はおすすめです。
派遣には、「未経験可」「ブランク歓迎」といった求人も多いためです。
このような求人の場合、就業前に事前研修が受けられたり、OJT制度があったりするので、無理なく仕事の感覚を取り戻していけます。
ブランクを埋めたい方、自信を持って仕事に取り組みたい方は、「無料研修制度」が充実している派遣会社に登録しましょう。
3.同じ会社で長く働けない
「配偶者の転勤が多い」「妊娠や出産予定がある」などの理由から、同じ会社で長く働けない方にも派遣はおすすめです。
派遣はそもそも契約期間を決めて働くため、就職・退職が気軽にできる身軽な雇用形態だからです。
また、研究職はプロジェクトごとに期間が決まっていることもあるため、期間限定の派遣求人を紹介してもらいやすい特徴が。
数ヶ月から1年、2年といったスパンで職場を変えられるため、一つの会社で人間関係を固定させるのが苦手な方にもおすすめですよ。
4.正社員で働いているが「ワークライフバランス」が取れない
現在正社員として働いていて、労働状況がツライと感じている方にも派遣をおすすめします。
派遣なら「ワークライフバランス」を重視できるからです。
研究職に残業や休日出勤はつきものです。
時間の制限なく好きな研究に没頭したい人がいる一方で、「プライベートがなくツライ」と感じている方も多いことでしょう。
派遣の場合、勤務時間や勤務日数を契約で決めてからお仕事をスタートするため、「どれくらい働くか」は自分で選択できるのです。
家族がいるので残業はしたくない、仕事中心の生活にはなりたくない、という方にとっておすすめの雇用形態と言えるでしょう。
一方で、たくさん働きたい方は、残業が多めの仕事を選ぶのもアリです。その際も残業代はきちんと発生し、サービス残業はありません。
派遣の研究開発職の就業先と仕事内容
派遣の研究職にはどんな就業先があるのか、どのような仕事ができるのかは気になる部分ではないでしょうか。
結論から言えば、就業先は「大手メーカー」「ベンチャー企業」「公的機関」「大学の研究室」「病院」など多種多様。
職種や仕事内容も、研究開発にメインで携われる求人から、補助・サポート業務に実験動物の飼育管理、理系事務まで幅広いです。
あなたの働きたい職場、携わりたい研究、スキルや経験に合わせてお仕事選びができます。
- ●派遣研究職の就業先一例
- ・メーカー(医薬品/食品/化粧品/化学/電気・電子/機械・工学/材料・素材)
・公的研究機関
・検査施設
・国公立大学/私立大学…など - ●派遣研究職の職種一例
- ・研究/開発
・分析/品質管理
・生産/製造
・薬事(臨床開発モニター/治験コーディネーター/薬事申請)
・事務(文献調査/統計・分析/理系事務)…など - ●派遣研究職の仕事内容一例
- ・実験
・検体検査
・研究補助
・開発サポート業務
・実験動物の飼育管理
・資料作成…など
派遣の研究開発職の時給相場・給料・年収
当メディアの調査によると、研究職・理系専門の大手派遣会社2社における研究職の時給相場は1,580円でした。※各派遣会社の公式サイト検索ページ上位50件から算出(2020年8月時点)
1日8時間、1ヶ月22日勤務で計算すると、給料(月収)は27万円前後、年収は333万円前後が相場です。
- 1,580円(時給)×8時間×22日=27万8,080円
- 278,080(月収)×12ヶ月=333万6,960円
ただし上記は、未経験者向けの求人も含んだ時給相場。
派遣先が求める経験や語学力といったスキルがある方には、下記のような相場よりはるかに高時給の求人もあります。
【まとめ】派遣研究職は幅広い人が活用できるおすすめの働き方
難関であり狭き門である研究開発職に、比較的容易に就けるのが派遣研究職です。
- 研究職の正社員求人は少ない
- 研究職で食べていくのは難しい
- ワークライフバランスの取れた働き方をしたい
そんな悩みも派遣社員という働き方なら解決できるでしょう。
派遣から正社員への登用実績がある企業も多いので、ずっと派遣で働く以外に、正社員への足がかりとして派遣会社を利用するのもアリです。
また、「いろいろな職場を経験してスキルアップにつなげたい」「プライベートを重視した働き方がしたい」という人にも派遣はおすすめですよ。
研究開発職・理系のお仕事をしたい方は、ぜひ今回紹介した派遣会社への登録を検討してみてください。
- 調査対象:派遣研究職の経験がある方
- 調査期間:2020年8月15日~8月22日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 有効回答数:19人
- 調査対象:派遣研究職の経験がある方
- 調査期間:2020年8月20日~8月27日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 有効回答数:23人