【精神的に楽な仕事ランキング】経験者256人アンケート調査

仕事をするなかで、精神的なしんどさやストレスを感じている人も多いでしょう。

上記のような場合には、精神的な負担の少ない仕事を探したくなりますよね。

今回は全国の男女256人にアンケートを実施。

「精神的に楽な仕事」について聞きました。

【調査概要】

  • 調査対象:全国の男女
  • 調査期間:2024年12月5日~11日
  • 調査機関:自社調査
  • 調査方法:インターネットによる任意回答
  • 有効回答数:256人(女性158人/男性98人)
  • 回答者の年代:10代 0.4%/20代 15.2%/30代 39.5%/40代 25.8%/50代 14.8%/60代以上 4.3%

精神的に負担が大きいと感じるのは「人と関わる仕事」

精神的に負担が大きいと感じる仕事

全国の男女256人に「精神的に負担が大きいと感じる仕事の特徴」を聞きました。

その結果、1位は「人と関わる(21.9%)」となりました。

次ぐ2位は「成果を求められる(19.9%)」、3位は「クレーム対応が多い(16.4%)」となっています。

仕事内容や業務の特性はもちろん、職場の人間関係や勤務形態も精神的な負担に関係するとわかりました。

また「人と関わる」「クレーム対応」「人間関係」など、人間由来の負担が多いことも特徴です。

1位 人と関わる

  • 不特定多数の人に対応する仕事(20代 女性)
  • お客様と多く関わる仕事。従業員と密にコミュニケーションを取る仕事(30代 女性)
  • 人との交流が発生する仕事。人に気を使うので、少なからず負担になります(40代 男性)

1位は「人と関わる」でした。

人とのコミュニケーションや人への気遣いが負担になっている人が多いとわかります。

「不特定多数と関わる仕事」「多くのお客様と関わる仕事」という回答もあり、関わる相手が増えると負担も増すことが読み取れます。

またコミュニケーションを取る相手は顧客に限らず、「上司」「同僚」なども挙げられました。

そのため「顧客対応が多い接客業」のほか、「チームワークが必要な仕事」で負担を感じる人もいます。

2位 成果を求められる

  • ノルマがある仕事。常にストレスがかかります(30代 男性)
  • 成果が厳しく求められる仕事。目標達成のプレッシャーが大きく、結果が評価されるため、常に高いパフォーマンスを求められる仕事は精神的に厳しく感じます(40代 男性)
  • 販売数や契約数のノルマがある仕事(50代 女性)

「成果を求められる」が2位。

販売ノルマや売り上げ実績などが求められる仕事は、プレッシャーが大きくなり「辛い」と感じる人も多いです。

成果を上げていれば評価や収入に結びつきやすい一方、目標を達成できないときに上司から叱られたり、同僚と比較されて落ち込んだりすることもあります。

営業職や販売職で感じやすい負担です。

3位 クレーム対応が多い

  • クレーム処理など、人の悪い感情に触れる仕事(30代 女性)
  • お客さんへの説明やクレーム対応がかなり必要な業務。自分主体で動けるのならまだいいが、自分は窓口であって取り次ぐだけだと、板挟みになり苦痛(40代 女性)
  • 理不尽なクレームを言う顧客に対し、自分が悪くないのに謝る小売業(60代以上 男性)

3位は「クレーム対応が多い」です。

クレーム対応時には顧客から文句を言われたり、理不尽と思えるようなきつい言葉を受けたりすることもあります。

「クレーム処理も仕事だ」「自分が悪くなくても謝る必要がある」と思っていても、ネガティブな言葉にさらされていると落ち込んでしまうことも。

そのためクレーム処理の窓口を担当する仕事では、精神的な負担が大きくなります。

4位 責任が大きい

  • リスクの高い仕事や責任が重い仕事だと、精神的な負担が大きいです。現職で患者様の治療を行うなど人の命に関わる仕事をしていて、精神的な負担を感じています(20代 女性)
  • 責任が重い仕事。自分の仕事の影響範囲が大きい仕事(30代 男性)
  • 自己判断が必要で、責任が重い仕事(40代 女性)

4位は「責任が大きい」となりました。

人の命に関わる仕事など、責任の重い仕事で負担を感じている人も。

「ミスが許されない」「損失が出たら、取り返しがつかない」といったプレッシャーが負担になっていると考えられます。

また管理職など、自分の判断が部下や他部署に影響を及ぼす立場にあると、「ミスがあれば責任を取らないと」という気持ちになります。

立場が理由で責任とプレッシャーを感じている人もいるとわかりました。

5位 スピードを求められる

  • 締め切り時間が決められている業務(30代 女性)
  • 非現実的な納期の仕事(40代 女性)
  • 時間に追われる仕事(50代 男性)

5位は「スピードを求められる」でした。

短納期の仕事を任されると、締め切りのプレッシャーが大きくなってしまいます。

「タイムリミットまでに調理する必要があるけど、衛生面のチェックも欠かせない」というコメントもあり、「急ぎつつも品質は保つ」というジレンマに悩む人もいるとわかりました。

また「急いでいるときに限ってシステム障害が起きたり、同僚が急に休んだりする」というコメントも。

時間的余裕がないと、普段なら問題なく対応できるトラブルやイレギュラーが大きな負担になることも伺えます。

6位 不規則な勤務

  • 休みが不規則な仕事(20代 女性)
  • 夜勤など生活環境が乱れる仕事(30代 女性)
  • 深夜などの不規則なシフト(50代 男性)

6位は「不規則な勤務」です。

交代制勤務・シフト制勤務など不規則な勤務体系は、体力面だけではなく精神面でも負担になることがわかりました。

生活リズムが乱れて睡眠不足に陥ると、ストレスが溜まる人も多いです。

また家族や友達と休みが合わない場合、孤独感が負担になることもあります。

7位 人間関係に気を遣う

  • 人間関係が複雑な職場だとプライベートまで負担がかかり、生活そのものが辛くなってくる(30代 女性)
  • 威圧的なスタッフとの仕事(40代 女性)
  • 人間関係が難しい職場(60代以上 男性)

7位には「人間関係に気を遣う」が入りました。

仕事内容そのものではなく、職場の人間関係が理由で精神的負担を感じている人もいます。

例えば「怖い先輩・上司がいる」「人間関係が悪くて、いつも誰かと誰かがいがみ合っている」といった職場ですと、ストレスが溜まります。

職場で受けたストレスをプライベートまで持ち込んでしまう人もいるとわかりました。

精神的に楽な仕事1位は「軽作業」

精神的に楽な仕事ランキング

「実際に経験した精神的に楽な仕事」を聞いたところ、圧倒的1位は「軽作業(15.6%)」でした。

2位「事務(9.0%)」、同率3位「製造業(8.6%)」「データ入力(8.6%)」が続きます。

「軽作業」「製造業」「データ入力」など、人と関わったり話したりすることの少ない仕事が多くランクインしています。

また「在宅での事務」「在宅でのデータ入力」など、リモートワークが楽だと答えた人も複数いました。

在宅だとオフィスに出勤しないので、同僚や上司との関わりは少なくなります。

1位 軽作業

  • ダイレクトメールの封入作業、倉庫での軽作業。ひとりで淡々と作業をこなせばよい(30代 女性)
  • ピッキング業務や梱包業務。基本的に作業中は単独行動で、マイペースで融通が利く(40代 男性)
  • ノルマなどないから(50代 男性)

1位は「軽作業」です。

具体的には「仕分け」「梱包」「ピッキング」などの仕事で、倉庫や配送センターでよく募集されています。

軽作業が精神的に楽な理由は、基本的に単独作業で人と関わることが少ないからです。

仕事開始直後は先輩や上司から教えてもらうこともありますが、慣れればほぼひとりで作業できます。

またノルマなどがなく「時間になれば終了」「できるところまででOK」という職場もあり、急き立てられずマイペースに働けるのも魅力です。

2位 事務

  • 個人の仕事が多い事務。ひとりで作業して終わる仕事はかなり楽。わからないところが発生しなければ他人との会話が基本的にないので、自分のペースで作業できる(20代 女性)
  • 不動産の営業事務。責任のある仕事が基本的にない。納期のない仕事が多く、お客様と話す機会も少ない(30代 女性)
  • 在宅勤務でのデスクワーク。対人関係がなく、周りの視線を気にしなくて済む(40代 男性)

「事務」が2位。

接客やチームでの仕事があまりない事務職であれば、淡々と仕事に取り組めます。

営業と違いノルマなどが課せられることもあまりありません。

ただし事務職でも接客や電話対応が多い職場もありますので、応募の際は働き方や業務内容をしっかりチェックしておく必要があります。

3位 製造業

  • 工場のレーン作業。同じ仕事をずっと行うのでわかれば簡単で、同じ作業の繰り返しだから(20代 女性)
  • ひとりで黙々と作業できるため(30代 男性)
  • 単発だったら短期間だから、人間関係の煩わしさがない。ずっと勤めないといけないところは合わない人が絶対いて、顔を合わすのがしんどい(50代 女性)

3位は「製造業」です。

製造業の中でもライン作業などの単純作業を挙げた人が多くなっています。

製造現場では基本的にひとりで黙々と単純作業をこなすことが多く、食品工場などですと衛生管理のため作業中の会話は禁止されていることも多いです。

単発アルバイトや派遣社員の募集が多いのも、製造業の特徴。

雇用が不安定というデメリットはあるものの、長期的な人間関係を築く必要がない働き方は、コミュニケーションで疲れてしまう人にとっては楽です。

同率3位 データ入力

  • 会計事務所のデータ入力。黙々とパソコン入力するだけでいいし、電話を取らなくていい(30代 女性)
  • エクセルにデータ入力をしていく情報処理の仕事。人と関わらなくていい。とくに成果を求められない(40代 男性)
  • 上司や責任者とはやり取りしますが、お客様からのクレームなどを直接受けることはないので、負担は少ないです(40代 女性)

もうひとつの3位は「データ入力」です。

データ入力が精神的に楽な理由は、「単純作業で簡単」「電話対応・顧客対応がない」「黙々とひとりで作業できる」などです。

また「自分の仕事が、周りに大きな影響を及ぼさない」「責任感なく精神的に楽」という声も。

もちろんミスしないように注意は必要ですが、プレッシャーは比較的少ない仕事だとわかりました。

在宅でのデータ入力もよく募集されています。

5位 清掃業

  • オフィスの清掃業務。人とコミュニケーションを取らなくてよく、自分のペースでできる(20代 男性)
  • 郵便物の区分機械をひとりで清掃する仕事。教えられた作業をひとりで黙々と行うことができ、予期せぬトラブルが起こることもなかった。時間があれば入念に行い、時間がなければ優先部位のみを清掃して早めに終わらせるなど、時間合わせにも苦労しなかった(30代 女性)
  • ビル清掃員。決められたところをちゃんときれいにしていれば、何も言われません。ノルマもありません。掃除さえしっかりとやっていれば、クレームはまず来ません(40代 男性)

5位は「清掃業」です。

清掃業務は仕事を覚えてしまえばひとりでの作業になることが多いので、黙々と取り組めます。

日中のオフィス清掃などだと、施設利用者との挨拶程度のコミュニケーションは発生しますが、深いコミュニケーションではないので気にならない人も多いようです。

一方夜間の商業施設清掃ですと、「利用者がいないうえ、あまり急がなくていいので楽」という声もありました。

時間に余裕がある仕事は、スピードを求められると困る人にとっては嬉しいですね。

6位 警備員

  • 夜間の警備員は人がほとんど来ないし、決まったことをチェックするだけだったので、責任が重たくなく精神的に楽でした(20代 女性)
  • 行政機関の夜間警備の仕事がとても楽。「ノルマ」「人付き合い」「管理」がないし、委託なので責任の度合いが低い(30代 男性)
  • 警備はもちろんするが、責任を負わなくていいところが楽(40代 男性)

6位は「警備員」です。

「人と話すことが少ない」「立っているだけ」「責任があまりない」という人が目立ちました。

営業ではないのでノルマなどもありません。

ただし「時間帯」「警備する施設やエリア」によって、緊張感は変わってくると考えられます。

また屋外で警備や交通誘導をする場合には、暑さや寒さに耐えられる体力が必要です。

7位 ドライバー

  • トラックの運転手。運転に気を遣うことはあるが、基本的に運転中はひとりで自由に過ごせるから(30代 女性)
  • 大型ダンプのドライバー。仕事はダンプの運転のみで、残土などの荷下ろしは荷台を自動で上げ下ろすだけ。積み込む際は各工事現場の重機で積んでくれるので、ドライバーは運転席で待機しているだけでよく、非常に楽でした(40代 男性)
  • 配送ドライバー。人間関係に配慮する必要がなく、黙々と作業をするだけなので(60代以上 男性)

7位は「ドライバー」です。

運転や事故に対する緊張感はあるものの、運転中は車中にひとりでいられるため楽だと感じている人が多数。

「ドライバーは運転するだけで、積載などは別の作業員がやってくれる」といった仕事ですと、積載中は待機になるのも楽です。

また「自分の都合で仕事を調節できた」というコメントもあります。

最近では個人事業主のドライバーもいて、自分の都合に合わせて稼働できるとして人気があります。

まとめ

仕事で精神的な負担がかかる原因は、「人との関わり」にあると考えている人が多数。

そのため精神的に楽な仕事としては、「軽作業」「製造業」など会話やコミュニケーションの少ない仕事が多く挙げられました。

また「在宅での仕事が楽だ」「会社に勤めるより、個人事業主のほうが楽」と答えた人も。

組織やオフィスで働くことに負担を感じているなら、「自分に合う仕事が在宅でできるかどうか」という視点で仕事を探してみるのもいいでしょう。

最後に当記事の監修者、株式会社メンタルシンクタンク代表取締役社長の浜崎篤人氏の総括コメントを紹介します。

浜崎篤人様
浜崎 篤人氏の総括コメント

厚生労働省の令和5年度労働安全衛生調査によると、56.2%の労働者が「対人関係」「顧客、取引先等からのクレーム」でストレスを感じていました。

ストレスは、うつ病などの精神疾患さえ引き起こします。対人関係が避けられない仕事をする人は、なるべくコミュニケーションを円滑にして、ストレスを軽減する必要があります。

クレームに対しては、いったん謝って共感する姿勢を見せることで、相手が柔軟になることもあります。とりあえず怒りをぶつけたいというクレーマーも多いです。反論なり言い訳はその後で良いでしょう。

あまりイエスマンになるのも考えもので、ストレスが溜まっていく一方です。上司の意向をを考慮しつつ、それが無理な理由とともに折衷案を示すテクニックも必要です。

「今日中にやれという課長の指示も分かりますが、徹夜したら明日の業務に差し支えます。9時まで残業して、残りは明日ということでどうでしょうか」というような切り返しができれば、ストレスも少しは減るでしょう。

■監修者プロフィール
浜崎 篤人氏
株式会社メンタルシンクタンク代表取締役社長
・公認心理師

京大卒。東大院修了。国会議員政策担当秘書を経て、政策コンサルティング&メンタルヘルスの会社を起業。
【note】hamasaki@政策脳を鍛える